Local’sが愛してやまないスポットを紹介

豚骨も香味野菜も入れない潔さで勝負する鶏 100%のスープが、東本願寺周 辺のラーメン激戦区で支持されている「とりぱん」。白濁したスープはポタージュのようなドロリとした濃さはなく、さらりと喉を通る。飲んだ後の〆など、疲れ気味の胃袋を優しく癒してくれそうだ。一回の仕込みで丸鶏や胴ガラ、モミジなどを40㎏ほど使って圧力寸胴で炊くこと2回、髄まで鶏の味引き出しつつ、雑味やしつこさを残さないそのままのピュアなうまさを表現するバランスが見事だ。味が染みたチャーシューやスパイシーな穂先メンマは「具材も一品料理として完成させる」という店主の思いの表れ。それでも味がとっ散らからないのは、スープが力強く土台を作っているからだ。

たこ焼き店、大衆中華料理店を経て、2014年に現在の場所で店を開いた堀川さん。中華鍋であおった野菜のうま味が溶け込む昔ながらの札幌味噌ラーメンを踏襲しつつ、ラードの使用量を抑えて飲み口を重くなり過ぎないようにするなど、工夫を凝らした一杯を提供。こだわったのは、「脂に頼らない、スープそれ自体の強さ」。コクとまろやかさがありつつも後味の軽いスープが、小麦本来の風味が感じられる一柳製麺の中太麺と理想的なバランスを織りなす。深夜まで営業しているので、飲んだ後の〆目的の人はもちろん、付近の飲食店関係者が店じまいした後の腹ごしらえに利用することも。駅前通り沿いのビル一階だが、入り口は通りに面していないのでご注意を。

地下鉄南北線すすきの駅から徒歩1分。札幌で1番辛い店を目指している「札幌ラーメン 辛いち」。深い味わいが特徴のラーメンは系列店かすそば・かすうどんが人気の「風土.グループ」ならではの素材の旨みが活きている。一番人気の「旨辛醤油鰹」は鯖節から丁寧にとった出汁に鶏清湯を加えたトリプルスープにオリジナルの辛味スパイスを加えた旨辛さが絶妙。清湯・白湯のWスープにシビレスパイスが効いた「シビ辛味噌」も見逃せない。辛さは１～３０辛、鬼辛、地獄辛まで挑戦できる。（鬼辛、地獄辛は30辛の経験者限定）。辛くないラーメンもあるのでご安心を。サイドメニューの「卵チャーシュー丼」などと供に今宵、辛さの限界に挑んでみよう。

カウンター6席だけの小さな店構えで、開店は夜10時からという深夜営業だが、飲んだ後の一杯を求めてくる人や、飲食店関係者にも愛され、平日でも行列が見られる。たまり醤油と焦がし油が決め手の名物「札幌ブラック」は、スープの黒さにまず驚かされる。しかし予想外なほどマイルドで、豊かな風味と優しい味わいに再び驚くことに。たまり醤油の辛さを、飴色になるまで炒めた大量の玉ねぎの甘さで和らげているという。店内のあちこちには、店主の人柄が伝わってくるユニークな貼り紙が。「何より、お客様に楽しく気楽に召し上がって頂きたくて」と、店主の飯島さん。創意工夫が結実した味だけではなく、その気取らぬ雰囲気も人気の要因なのだろう。

昭和34(1959)年、町中華の店として札幌で創業。その後岩見沢へ移り、札幌へ戻ってきた『仙龍』は、現在3代目となる三上さんが切り盛りする。2代目だった母から店を引き25年、三上さんの代から人気メニューの筆頭になったのが広東麺だ。その特徴は何と言っても野菜のボリューム。ボールいっぱいの白菜、ニンジン、ピーマン、キクラゲなどをシンプルに塩味の餡でまとめる。麺は西山製麺に特注し道産小麦100%、鮮やかな黄色の札幌麺だ。一般的な中太よりやや太めで、これが野菜のうま味がにじむ餡をしっかりまとうため、大満足の食べごたえ。豚骨や鶏ガラから抽出した醤油ベースのスープのすっきりした味わいも相まって、最後まで飲み干す人も多いのだとか。